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VP RECORDS NEWS | 2012 NOVEMBER
11/26 update
01. BERES HAMMOND - ONE LOVE, ONE LIFE
02. 【中止】MR.VEGAS " SWEET JAMAICA" JAPAN TOUR 12月開催決定!
03. RICHIE STEPHENS & GENTLEMAN〜LIVE YOUR LIFE〜「1+1=2+α」。


RICHIE STEPHENS & GENTLEMAN〜LIVE YOUR LIFE〜

注目コラボレーション・アルバム登場!

 以前には「対決盤=二人のアーティストがアルバムの片面ずつを担当して、同じリディムを使用した曲を収録したもの」とか、レゲエには色々とアーティストのコラボレーション・アルバムが存在していましたけど、CDの時代になってからは減ってきています。「A面」「B面」の概念が失われたからかもしれません。

 共に人気者同士の場合もあれば、師弟関係であったり、新人を売り出す際に人気者と組ませたケースもありました。おそらく多くの場合はアーティスト同士ではなく、プロデューサーの発案で制作されていたんだろうな、と思います。

 で、「久々かも」なアーティストのコラボレーション・アルバムが登場です。共に人気者同士、また、注目すべきはジャマイカン・アーティスト同士ではなく、ジャマイカとヨーロッパを活動拠点とするアーティスト同士による作品ということです。

RICHIE STEPHENS & GENTLEMAN

 本作はジャマイカの実力派人気シンガー、RICHIE STEPHENSと、ヨーロッパのレゲエ・シーンのトップ・スター、GENTLEMANとによるコラボレーション・アルバムです。2人のプロフィールに関しては下記を確認下さい。


LIVE YOUR LIFE

POG50106.2 / POT OF GOLD / VP RECORDS / VP RECORDS独占流通作品

01. I FOUND HEAVEN - RICHIE STEPHENS & GENTLEMAN
02. AROUND ME - GENTLEMAN
03. MARY JANE - RICHIE STEPHENS
04. JAH NOT SLEEPING - RICHIE STEPHENS & GENTLEMAN
05. DUTTY SOUL - GENTLEMAN
06. GOD IS ON MY SIDE - RICHIE STEPHENS
07. LIVE YOUR LIFE - RICHIE STEPHENS & GENTLEMAN
08. TIME LIKE THIS - RICHIE STEPHENS & GENTLEMAN
09. BELIEVE EVERY WORD - GENTLEMAN
10. DRIFT AWAY - RICHIE STEPHENS
11. WARRIOR - RICHIE STEPHENS & GENTLEMAN
12. WHEN YOU GET LOST - GENTLEMAN
13. BORN TO LOVE YOU - RICHIE STEPHENS
14. WORLD GO ROUND - RICHIE STEPHENS


Live Your Life
ビックラ映像。集っている観衆は70万人。合成ではなくて実際に出演した野外フェスにて撮影。必見!


I Found Heaven
ジャマイカで撮影したオールド・スクールな好映像。モノクロも美味。ダンサーの自由でシュッとした動きも必見。ALBOROSIEも発見。


God Is On My Side / Dutty Soul [Medley]
同リディムを使用した、それぞれのソロ=「対決曲」も収録。

 本作はコラボレーション・アルバムですけど、少し特殊な内容です。「Live Your Life」「I Found Heaven」をはじめ、両者のコンビネーション・チューンも多数収録していますが、それぞれのソロ曲も多く、またソロ・アルバム収録曲を再収録しているものもあります。企画性の高い作品ですが、それぞれの魅力が伝わる好内容で、2人による1枚の作品ではなく、1枚で2人が分かり、2人の共演曲によってその魅力がさらに伝わる作品になっています。


 聴きどころはたくさんあります。昨年よりヨーロッパでは大人気で、ジャマイカで今年に1位を獲得した「Live Your Life」は既にご存知の方も多いと思います。特にその人気につながった「700,000人(!!)の前で2人が歌っているビックラ映像」のミュージック・ビデオは知っている方も多いと思います。見てない方は是非。壮大なバラードとマッチした無限大な映像です。


 それとは対極で古き良きジャマイカのレゲエを彷彿させる「I Found Heaven」、RICHIE STEPHENSの歌とGENTLEMANのDJ/シングジェイによる「Jah Not Sleeping」をはじめとするポップなコンビネーションはどれも秀逸です。豪快に歌い上げるRICHIE STEPHENSに、繊細な歌声とフローを被せていくGENTLEMANのケミストリーは国籍とかを飛び越えて見事なまでにマッチしています。ジャマイカのシンガーであるRICHIE STEPHENSがパトワよりも英語をメインとしているところと、GENTLEMANがドイツ語ではなくパトワをメインとしている部分も興味深いです。共に色々な違いが存在していますが、ジャマイカのレゲエのスタイルを核としている部分で、その違いを魅力として引き立てる共通項もたくさん存在しています。火と油ではなく、土とコンクリートのような相性の良さを感じます。レゲエが世界言語で国境を楽々と超える音楽とカルチャーであることも教えてくれます。


 また、本作にはRICHIE STEPHENSのソロ曲も多く収録されています。今年にリリースされた新作のゴスペル・レゲエ・アルバム『GOD IS ON MY SIDE』のタイトル曲も再収録されています。レゲエのコラボレーション・アルバムらしい面白さとして、同曲と同じリディムを使用したGENTLEMANの「Dutty Soul」も並べて収録されています。RICHIE STEPHENSは王道のレゲエを基本に、ゴスペル・レゲエ、カヴァー、以前にはソウル/R&Bと幅広いスタイルを持ち合わせていますが、カントリー・レゲエの「Drift Away」も痛快です。


 で、「Drift Away」もカントリー・シンガーのMETOR WILLIAMSの鉄板ヒットのカヴァーですが、もう一つの注目のカヴァーはなんと言っても「Mary Jane」です。ユーツはポカーンかもしれませんけど、コレは日本人歌手つのだ☆ひろさんの70年代の大ヒット曲で、当時のディスコでのチーク・タイムの定番曲です。それを原曲に忠実にカヴァーしているのにはビックラです。その経緯については下記の別項を確認して頂くとして、本作ではRICHIE STEPHENSの「歌馬鹿」のスゴさも確認できます。


 そして、RICHIE STEPHENSと同様にGENTLEMANのソロ曲も多く収録されています。GENTLEMANは今年にヨーロッパで10年にメジャーでリリースした『DIVERSITY』の内容を変更した「US EDITION」をUS進出作としてリリースしていますが、同作では数多くの楽曲を〈DON CORLEON〉と制作しています。その〈DON CORELON〉との「Missing You Around Me」「Believe Every Word」他のソロ曲を収録していて、改めて〈DON CORLEON〉らしい哀愁メロー・リディムとの相性の良さを伝えてくれています。『DIVERSITY』はそうした〈DON CORLEON〉との美メロ・チューンが作品の中心となった激強力内容で、日本人の心の琴線を刺激する独特の旋律だらけですけど、まだまだその魅力が知られていないようにも思いますので、「ドイツ人」「ヨーロッパ」「怖いジャケット」等の先入観を取り除いて是非聴いて欲しいと思います。
RICHIE STEPHENSとGENTLEMAN


 本作はRICHIE STEPHENSとGENTLEMANのそれぞれの魅力を知るのに最適です。両者のサンプラーとも言えるかもしれません。2人とも海外の人気や認知と日本のそれとはギャップが存在しますが、是非聴いて、知って、気に入ってもらえたらそれぞれの作品にもトライして欲しいです。また、本作はレゲエのデュエットではなく「コンビネーション・スタイル」の素晴らしさも分かり易く伝えてくれます。シンガーとDJが合体することで、2人を合わせたもの以上の楽しさやエンターテイメント性が発揮されることを伝えてくれます。是非そうした「当たり前」なレゲエのカルチャーの魅力も再確認してみて下さい。

 コラボーレション作で特殊な企画盤ですけど、内容としてかなり面白い作品になっています。是非チェックしてみて下さい!


なぜ「Mary Jane」?


本家つのだ☆ひろさん「Mary Jane」。

 本作の試聴盤が届いて「えっ?」と思ったのはRICHIE STEPHENSの「Mary Jane」。先にも触れたように日本人歌手つのだ☆ひろさんのクラシック。その忠実なカヴァー。クレジットを見ても「WRITER: HIRO TSUNODA」の表記・・。「なんでこの曲?」「どうして知っているの?」・・。様々な「えっ?」を確認すべく、ご本人に確認してみることにしました。マネージャー氏が本人に確認した内容は以下の通り・・。

 「Mary Jane」を初めて聴いたのは、ダブ録りの時。場所はジャマイカ。日本人のサウンド用にダブを録っていたんだけど、その作業が終わったら、そこに来ていた日本人が「もう一曲だけ録りたい。この曲のカヴァーのダブを録って欲しい」と言い出した。「今日は疲れているから勘弁してくれ」と断ったんだけど、「そうは言わずに聴いてみて欲しい。きっと気に入るから」と聴かせられたんだ。
 最初はもっと日本っぽい曲かと思ったら、ソウルだし、歌詞も英語で「コレは日本の曲なのか?」と確認した。で、そのまま繰り返し聴いていたら、20分もしたら自分の中に歌詞も曲のフィーリングも入っていたから、そのまま歌ってダブを録ることにした。
 で、その日は「オリジナルの音源を欲しい」ともらって、しばらくしてからもう一度聴き直してみた。曲の持つフィーリング、タイトルの意味するものともマッチしていて、実に良い曲に思えた。周りの人達に聴かせたら誰もこの曲を知らなかった。というコトは誰もまだカヴァーしていないということで、自分がカヴァーしてみようと思った。今回の作品にはDANNYやGENTLEMANとも「何曲かソロを入れることにしよう」と言っていたから、だったら新作用に録ることにした。
 大切にしたのはオリジナルの空気。つのだ☆ひろはプロフェッショナルで曲を完璧なものとして仕上げていた。歌だけでなく、演奏もコーラスも全てのバランスが素晴らしい。それを壊さないで、つのだ☆ひろと同じレベルに仕上げることに努めた。
 つのだ☆ひろのコトはこの曲以上のコトは知らない。年齢も自分よりも上だと思う。現在も存命で元気でいることを願っているし、もし機会があれば自分のカヴァーも聴いて欲しいし、日本で一緒に歌える機会があれば嬉しい。もし本人にそれを伝えられるのなら、代わりに伝えてもらえたら嬉しい。
RICHIE STEPHENS

なぜ「Mary Jane」?

RICHIE STEPHENS
RICHIE STEPHENS 90年代初頭に〈TOP RANK〉からのALTON ELLISの「Willow Tree」、DENNIS BROWNの「Should I」他のカヴァー・ヒット等で人気を獲得。SHABBA RANKSをマネージメントしていた、CLIFTON 'SPECIALIST' DILLONのサポートでブレイク。
 ソウルに傾倒したダイナミックな歌唱スタイルと野太いタフな歌声を武器に、95年には〈MOTOWN〉より『POT OF GOLD』で世界進出。当時にグラウンド・ビートで世界に旋風を起こしていたUKのJAZZY-T率いるSOUL II SOULとのコラボレーションでも世界的に活躍。ジャマイカ帰還後には自身のレーベル〈POT OF GOLD〉を設立。以来、現在まで数多くの作品をリリース&プロデュース。
 通常のレゲエ・アルバムだけではなく、カヴァー・アルバム、ゴスペル・レゲエ・アルバムと精力的にリリース。魅力はなんと言っても「歌の上手さ」。正真正銘の実力派シンガーで、デビュー以来その歌声の力量は依然として進化中。またショーにも定評が有り、現在もジャマイカだけではなく世界でツアー&公演多数。最新のシーンとのリンクとは別に常に自身のスタイルを精力的に展開して、高い人気と評価を獲得しているジャマイカを代表するシンガー。敬虔なクリスチャンでチャリティや慈善活動にも熱心。歌詞もボジティヴ&コンシャス&ラヴ。


GOD IS ON MY SIDE◆ GOD IS ON MY SIDE
POT OF GOLD / VP RECORDS / POGCD0102
 今年リリースの最新作はゴスペル・レゲエ・アルバム。定番ゴスペル・メドレーからスタートするが、その豪快な歌の魅力を伝えてくれる好曲多数。KONSHENSを迎えた「The Lords Prayer」、SAM COOKの「A Change Gonna Come」のカヴァーも収録。自身の〈POT OF GOLD〉制作、プロデュースにはDANNY BROWNE、CLEVIE BROWNE他複数参加。



GENTLEMAN
GENTLEMAN ドイツ出身、父親は宣教師。レゲエ好きのお兄さんの影響でレゲエにハマり、10代の頃から渡ジャマイカを繰り返し、活動を開始した当初からパトワでコンシャスでメッセージ性の強いリリック、慈愛に満ちた幅広い意味でのラヴ・ソングをDJ/シング・ジェー。

 99年にドイツでデビュー、04年の『CONFIDENCE』ではヨーロッパ各国で作品はリリースされ、各国のメイン・ストリームのチャートで1位を獲得するなどして、ヨーロッパを代表するトップ・レゲエ・スターへと成長。ジャマイカでも同作収録の「Superior」で注目を集め、同曲は同年の『REGGAE GOLD』にも収録。日本を含めて世界的にその存在が知られ始めたのはこの頃。で、10年にヨーロッパの〈UNIVERSAL〉とメジャー契約をして2枚組大作『DIVERSITY』をリリース。同作を1枚組に再構成した[US EDITION]を今年にUSでリリースし、本格US進出。

 過去からのジャマイカのレゲエを受け継ぐだけでなく、洗練された新しさも加味したオリジナルなセンスが魅力。その哀切溢れる泣きまくった繊細で、歌心のあるフローが大きな特徴と持ち味。


DIVERSITY [US EDITION]◆ DIVERSITY [US EDITION]
VP RECORDS / VP1937
 10年にUNIVERSAL EUROPEからリリースされ、ヨーロッパで大ヒットしたメジャー盤を再構成したUS進出&最新作。〈DON CORLEON〉を中心に〈JAMMY'S〉〈REGGADY JOE〉他ほぼ全曲ジャマイカ制作。SUGAR MINOTT / TANYA STEPHENS / CHRISTOPHER MARTIN参加。大人気曲「Changes」を中心に激哀愁美メロ高品質楽曲大量収録の名作。


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