INTERVIEW: #03 MAXI PRIEST

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2016年1月31日~2月2日。東京&大阪Billboard Live楽屋。

来日していたMAXI PRIESTとの雑談。

 

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MAXI PRIEST(以下M): 前作から7年ぐらい期間が空いているんだ、『EASY TO LOVE』をリリースするまでには。休んではいないよ。前回の来日も4年ぐらい前だろ? 前作のプロジェクトを終えても世界を周っていたし、UB40とかともショーをしていたしね。

ただ、作品を制作するコトに関しては、少し周りの状況を見渡していたりもしていた。(長年所属していたメジャー・レーベルの)VIRGINとも契約を切って、VIRGINも大きなグループ(UNIVERSAL MUSIC)に買収されたりして変わったけど、最近の音楽を取り巻く環境や音楽業界の状況はものすごい早さで変化していたし、その中で自分としてどう動いて行くべきかを考えたり、模索していたりしていた。

M: BERES HAMMONDの「In My Arms」を聴いて、すぐに曲が浮かんで、それをプロデュースしたBUBLY(BULBY YORK)にリディムを送ってもらって「Easy To Love」を作った。そのリディムに惹かれてね。BULBYとも長い付き合いだし。そうだね、「Close To You」の頃から仕事は良くしていたし。それをシングルとしてリリースするのにあたって、BULBYとCHRIS CHIN(VP RECORDS)とNYで会う機会があって、そこからVPとアルバム(『EASY TO LOVE』)を作るコトに話が発展したんだ。

M: 「Easy To Love」で、BERESの「In My Arms」を聴いて、そのリディムがきっかけで、色々とそうやって色々と人とのリンクや関係が動き出しているのを感じて、そのVIBESに乗っていくのは自然なコトにも思えたんだ。タイミングも合せて。そうだね、『EASY TO LOVE』にはBERESとの曲(「Without A Woman」)も入っているね。あと、CHRISのコトも、VPのコトもお互いに昔から知っているし、話も早かった。自分がメジャーから作品をリリースしている時でもVPはそれらの作品をメジャーが網羅していないレゲエ専門店とか、カリビアン・コミュニティーの独立系の店とかに流通してくれていたし、ショーとかそうした場でも顔を合せていたし、関係はずっと前から存在していたしね。

M: VPとアルバムを作るのは初めてのコトだったけど、それはレゲエの専門のレーベルとアルバムを作るのが初めてだったとも言えるけど、とにかく自分自身が楽しめて、リラックスして作れたんだ。別にメジャーを批判しているわけではないけど、それまでメジャーとアルバムを作る際はいつも自分がどういうアーティストなのか、どこから来て、どこに向かおうとしているのか、とかを説明しないといけなかった。

うん、レゲエの音楽としてのコトもだけど、そのカルチャーや、ファンデーションの曲とか・・、例えばDENNIS BROWNの有名な曲をカヴァーしようとするとDENNIS BROWNのコトから説明しなくてはいけなかったりもしてね。それを作品を作る度に、毎回一から繰り返さないといけなかったりもしたんだ。あと、メジャーにはメジャーで自分に求めるものもあったし、それを逆に自分が理解し合わないといけなかったりもね。

VPとはそういうのはないからね。どこよりもレゲエを知っているし、自分のコトも知っていてくれるからね。まぁ、その分、VPはメインストリームのマーケットでの売り方をよく知らないとも言えるかもしれないけどね(笑)。

メジャーとの作品や仕事を否定しているわけではないよ。それは全くない。彼らとやることで実現できたコトも広くに知られるコトにもつながっているし、与えてもらったものは大きい。そうした自分のメジャーでの仕事を通じて、自分やレゲエを知ってくれた人達も多いと思うしね。

Maxi Priest - Easy To Love - Artwork
M: 「PRINCE of LOVERS ROCK」か。まぁ、「PRINCE」ではなくて「KING」に格上げしてくれている人もいるけどね(笑)。ただ、どちらにしてもそんなに気にしてない。自分はLOVERS、恋愛曲だけを歌っているわけではないし、あと、自分にとって「LOVE」はもっと幅広いコト意味しているんだ。それは日常の中に全てに存在するもの、普遍的なもの、人間関係においてとか、あらゆる場面に存在するもの。その大切さを意味していて、それを歌にするコトを大切にしているんだ。

80年代から世界で活動してきて、色々な曲、アルバム、時代で自分を知ってくれてファンになってくれた人がいて、それぞれファンが自分に求めるものは違うかもしれない。リリースをして行く中で、中には「なんでそんな曲を?」「なんでそんなアーティストとコラボを?」と思われるコトもあるとは思う。新しいトライをして喜んでくれたり、そうした新しい曲で知ってくれたり、新たにファンになってくれる人がいる反面にね。それはそれだけ自分を愛してくれている証拠でもあるけど、その全ての思いに応え切れない時もあるかもしれない。

えっ? 「Love Somebody」でそう感じたって? まぁ、すごく自分を日本で有名にしてくれた曲でもあるけどね。うん、お前みたいな奴はいるよ・・。まぁ、SHABBA RANKSと「House Call」を演った時も色々と言われりもしたしね。大ヒットしたけど。まぁ、当時のSHAABAはスラックネスのKINGみたいなイメージだったしね。

ただ、そうしたファンからの声はありがたいコトでもあるんだ。それはそれはチャンスでもあると思ってるんだ。もし仮にその人達の期待に応えられなかったらとしたら、また次にその期待に応えられるようにする機会を与えてもらったとも思えるし、次にできるコトがまた生まれるしね。まぁ、同じコトを繰り返していたら、それはそれで満足してくれる人もいるかもしれないけど、自分が満たされないしね。

自分は常に進化していきたいと思うタイプの人間だからね。色々なコトを吸収して、時代に敏感にいて、カッティング・エッジな存在でありたいと思うタイプなんだ。これまでも、そうやってきたつもりだし、それでレゲエを前進させたり、その可能性を広げたりしてきたとも思うし。そうだね、「Close To You」とかも当時のグラウンド・ビートとのコラボだったし、色々とそうした挑戦は続けて来ている。そういう中で自分自身を進化させたり、フレッシュであり続けたいと思うタイプなんだ。一つのイメージに縛られたりするのは嫌なんだ。

うん、年齢は関係ない、年の取り方と年齢は一致しない。ああ、そうだ「Easy To Love」のEDM Remixを作った奴がいるんだ。聴かせてあげるよ。えっ、イヤフォン持ってないの?、そっか、うーん、いや、自分のイヤフォンを人に貸すのって嫌なんだよな。まっ、いいや、しょうがない、ホラ貸してあげるから、聴いてみてよ、面白いから。VPのCHRISにリリースすべきか聞いておいてよ(笑)。

 

M: まぁ、そうやって前進していく中で、『EASY TO LOVE』は自分にとっては「自分の新しいファウンデーション」という位置付けのアルバムかな。うん、リリースしてから、そのイメージも確かなモノになっているかな。制作していた時からそうイメージはしていたけど。

原点のレゲエに立ち返った、一周して自分の原点であるレゲエにしっかりと向き合った作品で、色々な楽曲や作品、時代を通じて自分を知ってくれた人達に改めて自分がどこから来たのか、どういうアーティストなのかを伝える作品になっていて、この作品をまた新しいきっかけとして次に進んで行く感じかな。自分自身がまた前に進むためリリースしておきたかったアルバムかな。うん、たまにそうやって振り返るのも大切だけど、それは前に進むためにしないとね。過去に生きてなくて、今日を未来のために生きているしね。

 

M: 次の作品を作りたいんだけどね、まだこの作品のツアーは続いているから、まだ先になるね。全然違うものになるかもしれないね。アイディアはいっぱいあるし。

うん、日本もリリース後の初の公演になったけど、日本の後にはそのままオーストラリア、ニュージーランド、ハワイとかにも行くんだ。フランスも控えているし。どこでも新しい作品の曲を実際に初めて生で聴いてもらうのは少し怖かったりもするんだ、「どう反応するんだろ?」って。それはわかってもらえるかどうかわからないけど、そういう緊張感は存在するんだ、自分の中に。

でも、今回は日本でも良い反応を得られて喜んでいる。あと、とにかく感謝している。新作を聴いて待ってくれていた感じも伝わるし、そうしたサポートにはホントに感謝しているんだ。日本は特に自分だけでなく、レゲエに対してのサポートも感じるしね。ずっと以前からね。

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M: えっ? レゲエ? 今さら聞かれてもねぇ・・。まぁ、物心ついた時から触れているしね・・。レゲエ・シンガーだし・・、ってそれぐらいは知ってるのになんでそんなコトを聞くの? SAXON?、いや、自分のサウンドもあったし、SAXONもだけど、色々なサウンドで歌っていたよ。

DENNIS BROWNだね。憧れたのは。そりゃ、勿論、それ以外にも色々といるよ。BOB MARLEY、ALTON ELLIS、KEN BOOTHE、BOB ANDY、GREGORY ISAACS、FREDDIE McGREGOR・・、とか言い出したらキリがない。

でも、子供の時に「俺もDENNIS BROWNみたいに歌いたい」って歌い方から真似して彼の歌を歌っていたんだ。それで自分もデビューして、実際にDENNIS BROWNと会うコトができて、一緒にツアーを周るコトができて、直接話したりする機会も増えていって親友になれて・・、うん、亡くなってしまったコトをホントに残念に思うよ。特別な存在だよ。「DENNIS BROWN」って聞くと、エモーショナルな気持ちになるんだ。今でも胸が締めつけられるんだ。うん、DENNIS BROWNだね、現在も。

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Text & Photo: Koji Yawata / 24×7 Records