INTERVIEW: #02 RANKING JOE

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2015年9月30日。東京・乃木坂。

来日をしていたRANKING JOEとの雑談。

 

RankingJoe

 

●久々の来日ですけど、正確には何年振りになるでしょうか?

RANKING JOE(RJ):どうだろう?・・、正確には何年経っているかはアレだけど・・、そうだな、90年代だから、20年ぐらいかな。(手渡した前回の来日の写真を見て)この写真の時か?

 

●全く変わっていませんね。あの頃のままですね。

RJ (ニコニコ)

 

●今回は2ヶ月ぐらい日本にいたんですか?

RJ いや、ずっと居たわけではないよ。日本からフランスとかのショーに行ってたりしたし。この後に中国とフィリピンでもショーがあるから日本にまた戻ってきた感じだ。そこからUSに帰る前にも経由すると思うけど。

 

●現在の拠点はニューヨークですよね?

RJ そうだ、ブロンクスだ。

 

●久々の日本ですが、以前に来た時と比べてどうですか?

RJ 変わったね。以前は「レゲエ」を広める時期で、現在はそれが浸透・定着している感じはしているね。当時にレゲエに知ったり、触れた人達が根付かせている感じはしているね。全国各地にサウンド・システムがあるし、ダンスをやるクラブもあるし、以前よりも浸透している感じはしている。ただ、90年代みたいにジャマイカのアーティストがたくさん参加するフェスティヴァル、タキオンがやっていた「JAPANSPLASH」とかが無くなっているのは残念かな。タキオンとかはどうしているんだ? そうか・・、まぁ、そうしたフェスを通じてより多くの人達がジャマイカのレゲエを初めて知ったり、触れたりできたりもしたハズだしね。そうした機会が減っているのは残念かな。ヨーロッパでは逆に増えているんだけどな。あと、日本人のアーティスト、日本語で歌うアーティスト達が増えているね。当時はNAHKI、ACKEE & SALTFISHとかで、彼らもパトワで歌っていたしね。まぁ、若い人達は日本人の若いアーティストを通じてレゲエに触れる機会が多いのかな。うん、そういうところが以前とは変わってきているとは思うよ。

 

●ええ、

RJ 若い人達にはレゲエのルーツも知って欲しいと思うよ。でも、今回の来日ではジャマイカのルーツ・ミュージックを好む人達とも色々と会えたりもしたよ。そうした人達とも何曲かレコーディングもしたんだ。まだリリース時期とかは詳しく知らないけど、彼らを通じて日本で広めてもらえたら嬉しいね。そうしたら、次の来日はもう20年も掛からないよ。

 

●レコーディングと言うと、やはり現在でも80年代の名作が頭に浮かびます。GREENSLEEVESでアナログも再発されていたりもしますし、

RJ (遮るように)新作も作っているよ。うん、作っている。自分のプロデュースでね。来年には出すよ。日本のレコード会社からもリリースできたらいいとは思っているよ。

 

●自分でプロデュースしているんですね。

RJ まぁ、色んな人達に手伝ってもらっているけどね。自分で演奏やミックスもやっているわけではないよ。自分として作りたいものはあるからね。

 

●現在に組んでみたいプロデューサーはいませんか?

RJ うーん、いないことはないけどな・・、

 

●以前ほどはいない、と?

RJ うーん、まぁ、そうだな。自分にとって良いプロデューサーと言うと、〈CHANNEL ONE〉・・、うん、そうだな、〈VOLCANO〉のJUNJOとかになるけど、それ以前に「ワン・ドロップ」なんだ。自分として大切なのは。一言で「ワン・ドロップ」と言っても奥深くてね、ジャマイカのドラマーなら誰でもが普通に叩けるというわけではないんだ。そんな簡単に叩けるものではないんだ。

 

●〈CHANNEL ONE〉〈VOLCANO〉でドラマーと聞くと、REVOLUTIONARIESのSLY DUNBARとROOTS RADICSのSTYLE SCOTTが思い浮かぶんですけど・・、

RJ その通り。彼らが叩く「ワン・ドロップ」は「ワン・ドロップ」だ。それぞれに違うよ、微妙な間とか音もね。それは真似て出来るものではないし、コンピューターでコピーして打ち込んだものではダメなんだ。ドラムは人のハートで叩かれるもので、その人の叩く時のヴァイブが間も音も微妙に変えるんだ。その人が作るライヴ感が良いんだ、と言うか、ライヴじゃないとダメなんだよな。それに自分のクリエイティヴィティが刺激されるんだな。

 

●STYLE SCOTTは亡くなってしまいましたけど、SLY DUNBARですね、現在に組むとすれば。

RJ まぁ、そうなるかな。

 

●ご自身は「ダンスホール・DeeJay」のパイオニアの一人ですけど、所謂「ダンスホール・リディム」よりも「ワン・ドロップ」・・

RJ (遮るように)いや、よく誤解されるけど、レゲエは「ワン・ドロップ」だよ。コンピューター・ライズドのリディムが出てきて、「レゲエ」と「ダンスホール」を区別したり、「ワン・ドロップ」と「ダンスホール・リディム」とかか分けて言うようになったけど、レゲエは「ワン・ドロップ」が基本で、「レゲエ」と「ダンスホール」を分けるものではないんだ。

 

●「ダンスホール」も「レゲエ」の一部というコトですよね?

RJ まぁ、言葉の解釈の話になるけど、そもそも「ダンスホール」と言うのは「ダンスホール」の意味なんだ。場所を指す言葉なんだ。

 

●ああ、ダンスが開催される場所、という意味ですよね?

RJ そうそう、俺達の世代にとって「ダンスホール」と言うのは、サウンド・システムが積まれてレゲエが流れて、人が集まる場所のコト言うんだ。「今夜はダンスがある」という「ダンス」も「ダンスホール」の略語で、「ダンスホールでイヴェントが開催されるコト」を言うんだ。そこで流されるのはレゲエで、レゲエも「ワン・ドロップ」のコトだよ。いや、勿論、知っているよ、現在はそうでもなくて、「ワン・ドロップ」とは言えないリディムがたくさん存在しているのも。ただ、誤解して欲しくないのは、自分はそれを悪いと言っているんではないし、自分もコンピューターで作られたリディムで歌ったりもするよ。ただ、自分達の世代は「ダンスホール」をそういう意味で言うということと、自分はそうしたワン・ドロップのレゲエが流れる、サウンド・システムが積まれて、人が集まって踊ったりするダンスの現場と言う意味のダンスホールが好きってことだけさ。

 

●そうしたダンスホールの場が好きなのは、またそうした場でもう何十年もマイクを握り続けている理由はなんですか? そうしたモチベーションは何が支えとなっていますか?

RJ ライヴだね。ライヴ感のある「ワン・ドロップ」のリディムに乗って、ライヴでマイクを握ってDeeJayして、目の前の客が沸いたりするのをライヴで確認できることが好きでたまらないんだ。一人の人間として「音楽が好き」とも言えるけど、マイクを握るDeeJayとしてそのライヴ感がずっと変わらず好きなんだ。そこで色々な人と会ったり、話したり、人と触れ合うことも好きなんだけどね。ライヴはレコーディングみたいにやり直しも効かないし、言い訳も効かない、そうした緊張感のあるライヴ感が好きなんだろうな。うん、やめようと思ったコトは一度もないな。

 

●バンドを従えたライヴ・ショーと、ダンスホールでのリディムを使用したラバダブとならどっちがいいですか。

RJ どっちでもやるけど、どっちか言われれば、サウンド・システムでのラバダブだね。ライヴ感が強いからね。客との距離も近いしね。バンドとやると、自分のバンドでならまた少し別かもしれないけど、バンドとの決めゴトも増えるし、アドリブが難しくなるだろうし、なんか普通の発表会みたいになるコトもあるしな。うん、自由が効かない場合もあるな。自分だけのその場でのクリエイティヴィティだけでは噛み合ないコトもあるな。初めてその日に会うバンドもいるしね。まぁ、○○○とか(某アーティストを名指しして)、毎回同じコトをそのままやっているみたいだけど、俺はそうではないんだ。毎回客も場所も状況も違うし、同じ歌詞を毎日同じように歌えば良いってもんではないんだ。それもライヴ感というコトになるけど、マイクを握りながら、客の様子も見て、空気を感じ取って「どう歌う」「何を歌う」って瞬時に考えて言葉やフローに変えていくことが好きなんだ。そうした自分のクリエティヴィティを発揮する瞬間がね。ああ、勿論、スキルがないとできないね。まぁ、DeeJayはそういうエンターテイメントでエンターテイナーだよ。レコーディングとかして作品をリリースしたりすると「アーティスト」とも言われるようになったけど、もともとそうやって毎晩少しずつ違うコトを取り入れたりして、言葉もスタイルも変えてマイクを握っていたんだ。うん、ダンスホールでね。レコードはその名前の通り「記録」ではあるけど、それが自分の全てではないし、それをそのまま毎回演っていれば良いってもんじゃないよ。DeeJayはそうしたクリエイティヴィを追求するエンターテイメントだと思うよ。バンドがいなくても、リディムとサウンド・システムさえあればそれができるからね。世界中のどこでもやれるしね。それをやり続けている感じだね。うん、日本、ヨーロッパ、世界中に行ってるよ。

 

●今後も・・

RJ そうだな。ダンスホールを周るよ。場所な。

 

●ええ、レゲエの流れる、ワン・ドロップ、クリエイティヴティ、ライヴ感のある・・

RJ うん、サウンド・システムがあって・・、あと、ハードコアな。

 

●ハードコア(力を込めて)・・

RJ そう、ハードコア(力を込めて)・・、リアルじゃないとな・・。

 

 

Special Thanks: CHINAMAN

Text & Photo: Koji Yawata / 24×7 Records

 

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