INTERVIEW: #01 JESSE ROYAL

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2015年9月25日。東京・渋谷。

来日をしていたJESSE ROYALとの雑談。

 

JesseRoyal

 

●明日の「SOUL REBEL」でのショーが最後のショーですよね?

JESSE ROYAL(JR):最後のショーではないよ、今回の日本ツアーでの最後のショーだよ。

 

●ああ、失礼しました。今回は全部で19公演?、ぐらいで、全国各地を周った長期の滞在となりましたが、初めての日本はどうでしたか?

JR 西洋から東洋に、それは初めての経験だったけど、そうした経験を欲していたから良かったよ。自分の知っている文化との違い、そうした違いを知る経験をするコトを大切に思っているから。79年だっけ?、BOB MARLEYが日本に来たのは? その時にBOB MARLEYが日本にレゲエの種を植えたように、自分も種を植えたつもりだね、現在の、更新版の。レゲエのバック・グラウンドにはジャマイカが存在していて、ジャマイカ人の自分にはレゲエが存在していて、その現在のレゲエを日本に伝えたつもりだね。初めての来日で、言葉の壁も存在していたけど、どの公演でもうまくいったと思う。伝えられて、感じてもらえるコトはできたと思っている。いい経験ができたと思っている。そうした経験を導いてくれたジャーに感謝している。

 

●各地で日本のレゲエ・シーンを体感されたと思いますが、ジャマイカとの違いはなんでしたか?

JR 勿論、言葉とか細かな違いは存在している。ただ、アーティストとかに限って言えば、きっと自分の意見や考えを表現しているという部分では一緒なんだとは思う。ジャマイカでは様々なプレッシャー、それは貧困から暴力から政府の間違った政治まで色々だけど、そうしたものを受けて暮らす中でどこかでそれを吐き出す機会、発散する機会が必要となる。気持ちの上でバランスを取るためにも。それをレゲエが担っていたりもするし、アーティストが人々の気持ちを歌に代えて届けたりもするコトでほぐしたりもする。日本でも、ああ、何ていう名前だったっけ、日本の首相は?、そう、安倍だ、そうした政治家の誤った政治とかでプレッシャーを受けている人達も多い。言葉はわからないし、確認したわけではないけど、日本のアーティスト達もそうした人達の気持ちを代弁しているんだと思う。そうした発散の場は必要だ。ガンジャもそうだよ。気持ちをリラックスさせてプレッシャーからバランスを取るために必要なんだ。もしかしたら、日本では酒がそれに代わるものなのかもしれない。どこでもみんな飲んでた。少し飲み過ぎな人達も見たけど。いずれにしても、そうしたICE BREAK(緊張やストレスをほぐす機会)はバランスを取ったりポジティヴに暮らしていく上で必要だ。あと、安保法案はアメリカの差し金だ。原爆のコトとか考えた。日本は唯一の被爆国で日本こそが戦争をしない、平和を追求していく国際的なリーダー、モデル国家となるべきだ。国民はそれに立ち上がっているけど、安倍はそれを無視している。政府は国民のために働くべきだ、国民が政府のために働くのではない。あと、安倍は近々にジャマイカにも来るらしいが、それも原発を売込みに来るためだ。そんなのはジャマイカには要らない。

 

●では、訪問者として日本とジャマイカの違い、一番印象的なコトはなんでしたか?

JR 人と人の接し方かな。日本はお互いを敬う気持ちがある。それはジャマイカとは違うかな。

 

●ジャマイカではお互いをリスペクトし合ったりしてませんか?

JR ジャマイカにはONE LOVEはある。ただ、人と人が日本のようには敬ったりはしていない。ジャマイカの中には、地方と都会、アップタウンとゲットー、あと世代間の断絶もある。ただ、ジャマイカの人達は日本の人達みたいにロボットみたいには動かない。自分のコトだけで精一杯のように前だけ向いて歩いてたり、周りの人達と触れ合わないで歩いてたりはしない。お互いに声を掛け合うし、話をするし、周りを見てお互いの中で助け合ったりもする。もっとゆったりとしてる。特に自分が育った田舎ではね。母親は子供を見て、母親が見れない時は祖母が見て、祖母が見れない時は周りの人達が見て、ってね。そうやって子供達も周りを見る、人と接するコトを学んでいく。今日も東京の街を見ていたら、みんなロボットみたいに歩いてた、早足でね。

 

●「ルーツ・リヴァイヴァル」、あなたはCHRONIXX、PROTOJE、JAH 9、RAGING FYAH、KABAKA PYRAMIDとかと共にそのムーヴメントの中心的なアーティストとされています。ココ2~3年の間にそうした若いラスタ達がジャマイカのシーンで一気に浮上してきて、世界に広がっている印象があります。そのきっかけ、ムーヴメントの背景には何が存在していると思いますか?

JR 人々がガンやスラックネスばかりの音楽に嫌気が差したからだろ。あと、誤った政治や社会に対しても。自分は何も変えていない。変わらず自分が正しいと思うコトを歌い続けているだけだ。そうしたポジティヴで意識の高いコンシャスな歌を人々が欲するようになっている。ルーツ・ミュージック、ボジティヴでクオリティの高い音楽は以前から変わらずずっとジャマイカに存在している。現在になって突然リヴァイヴァルしてものではないよ。

 

●いつからラスタになったんですか? ご家族もラスタなんですか?

JR いや、親とかは違う。あと、ラスタは宗教ではなくて思想だ。もっと言えば、生き方に対する考え方だ。きっかけと言えるコトはない。ナチュラルだ。ジャーが導いた。人生は限られているし、正しい生き方を全うしたいと思うだけだ。音楽もそう。別にアーティストを志したコトはない。人から誉められたのは子供の時に家族とモンティゴ・ベイのレストランに行った時に童謡を歌った時が初めてだ。ただ、それで別にアーティストを目指したコトはない。田舎からキングストンに移って、ZIGGY(MARLEY)とかと一緒にサッカーやバスケットボールをして遊ぶ仲間の一人になった。その時にMELODY MAKERS(ZIGGY MARLEYが率いていたグループ)の曲を一緒に歌ったりしていた。そうした中で歌うコトも特別なコトではなかった。ああ、そうした遊び仲間の中にはラスタもいたし、周囲に居たラスタの大人達に影響を受けて育ったのはあるとは思う。いずれにしても、子供の時に母親に毎週教会に連れて行かれて聖歌隊で歌を歌わされながら、時計を見て「早く終わらないかな」って思っていた当時に自分に、「いいか、お前はその21年後にシンガーとなって日本でツアーして歌っているんだぞ」と言ってやりたいね(笑)。でも、全てが自然のなりゆきなんだ。全てがジャーの導きなんだ。

 

●アーティストになるのに影響を及ぼした人はいないんですか?

JR 現在にKAREEMと仲が良いのは、彼もZIGGYとかとサッカーとかして遊んでいた仲間の一人だったからだ。そう、KAREEMは、FATIS(PHILLIP ‘FATIS’ BARRELL / 〈XTERMINATOR〉のプロデューサー)の息子(2011年のFATIS他界後に〈XTEMINATOR〉を受け継いでプロデューサーとして活躍中)。KAREEMを通じてUNCLE FATISとも知り合っていた(UNCLEは実際の叔父ではなくても、目上の男性に対して親愛を込めて使うコト有)。FATISとの出会いは大きく影響していると思う。

〜暫しFATISの思い出話に脱線〜

 

JR 自分も同じだよ、君が話したSIZZLAの話と。FATISがSIZZLAが駆け出しの頃にLUCIANOのツアーに同行させて、一曲だけ前座で歌わしたように、自分もUNCLE FATISにUNCLE COCOA TEAのツアーに連れて行かれた。アフリカとかね。その時もSIZZLAと同じように、自分も一曲しか歌わせてもらわなかった。それなのに自分を連れて周ってくれた。経験を積ませてくれた。UNCLE FATISがプロデューサーとしてスゴいのは良い作品を制作できることだけではなくて、才能を見出す力に長けているコトだ。自分が自分の才能に信じられるようになる前に、UNCLE FATISは自分の才能を信じてくれていた。UNCLE FATISから授けられたものは大きいよ。そうだね、確かに亡くなってしまって悲しいし、こうやって自分が日本をツアーするようになったコトも伝えたかった。ただ、見ていてくれていると思うよ、あそこから(と、自分の頭の上を指で指す)。

 

●今後の予定は?

JR ジャーが導いてくれるよ。

 

●まぁ、そうかもしれないですけど・・

JR この後もツアーも続くし、ヨーロッパとかにも行く予定が入っている。同時に世界に向けての正式なデビュー・アルバムを制作している。世界を行き来しながら、ヤード(ジャマイカ)に戻ったら制作している。幾つかの既発ヒットも入ることになると思うけど、新しい曲も録って入れるつもりで、自分が主導して作っている。リリース?、来年になるとは思うけど、それはジャーが導くコトだ。自分はやるべきコトをやるだけで、あとはジャーが正しい方に導いてくれる。やるべきコトをするだけ、あとはジャーが正しい時期を判断してくれる。

 

●日本のファン、特に若い人達に向けてのメッセージを。

JR 若い人達に向けて・・、うーん、自分自身で思っているコトでもあるけど、自分の心の声に耳を傾けて、それを正しく実践するコト、かな。時にそれは困難を伴うコトになるになるのかもしれないけど、自分の気持ちに素直にあるべきだね。あとはジャーが導いてくれるんだ。

 

 

Special Thanks: OKAMAI

Text & Photo: Koji Yawata / 24×7 Records

10/07